takehiphop291’s diary

青い花束を君に。

別れと後悔

「理由を言いなさいよ!そんなに私が嫌なの!?さめたの!?」

「そうじゃないけど、今は1人にしてくれないか?今は1人の時間が必要なんだ」

「嘘つき!本当は浮気してるんでしょ!」

「そんなことするわけないだろ!」

僕らは思い出のベンチに座りながら大げんかしていた。

そのベンチの前には少し斜めに生えているイチョウの木がある。

それを僕らはピサのイチョウと呼んでいた。

口論しながらも僕は楽しかった思い出に入り浸っていた。

僕は百合香が好きだ。愛してる。けど、今はそんな思いを抱くほど僕には余裕がないんだ。

百合香は泣いていた。

泣いている百合香を可哀想だと思い抱きしめてしまった。

そしていい加減な優しさを言い放つ。

「今でも好きなんだ。百合香のことが好きだ。泣かないで笑っていてよ。幸せでいてよ。」

僕は涙を必死にこらえていた。

(ここで泣いたら百合香にバレる。頑張れ俺。)